お酒で胃痛が続くのは病気?胃カメラを考える目安や検査の費用・負担を解説

お酒について確認するためのアイキャッチ画像

お酒で胃痛が続くときは、胃カメラを考える目安を知っておくと、次に何をするか決めやすくなります。

数週間も不調が続くと「もしかして大きな病気では」と不安になりますが、受診を迷うのは検査の痛みや費用が気になるからですよね。

まずは今の症状が医療機関へ相談したほうがよいものなのか、ご自身の状況と照らし合わせてみてください。

検査で確認できることや費用の考え方を知っておくと、次の行動を検討しやすくなります。

不調が続くときは、いつから・どんなときに痛むかをメモしておくと、相談時に状況を伝えやすいです。

この記事のポイント
  • お酒の後に胃痛が続くときは、症状の経過を整理する
  • 注意したいサインがある場合は、医療機関で相談する
  • 検査の費用や痛みの負担は、医療機関ごとに確認する
目次

お酒で胃痛が続く原因と受診目安

お酒について本文中で確認するポイントを示した図
お酒について、結果表を見たときに次の確認につなげるための図です。

まずはお酒による胃痛で考えられる背景と、医療機関への相談を検討するタイミングを見ていきましょう。

アルコール性胃炎

お酒を飲み過ぎた翌日に胃の重さや痛みを感じる場合、アルコールによる胃の荒れが関係していることがあります。

お酒に含まれるエタノールは、胃の粘膜に刺激となることがあります。

国際がん研究機関(IARC)の報告でも、アルコールはヒトに対して発がん性がある物質として分類されています。

アルコールは胃粘膜に刺激となり、炎症につながることがあります。繰り返す痛みがある場合は、飲酒量や飲み方も含めて見直すきっかけにしてください。

胃粘膜への直接刺激

アルコール度数が高いお酒は、胃粘膜への刺激が強くなることがあります。

ドイツの大学が行った調査によると、10%以上の濃度のアルコールを摂取すると、粘膜の回復には24時間以上を要するとされています。

ウイスキーや焼酎をストレートで飲む習慣がある方は、飲み方を振り返るきっかけにしましょう。

高濃度のアルコールは胃粘膜への刺激になりやすいため、飲み方を見直すことも考えてみましょう。痛みの程度やこれまでの病気によって、必要な対応は変わります。

2週間以上の継続

お酒を控えても胃の痛みが2週間以上続く場合は、一時的な荒れではなく潰瘍や腫瘍が隠れている可能性があります。

国立がん研究センターの調査では、1日の純エタノール摂取量が23g以上になると胃がんのリスクが高まると報告されています。

「そのうち落ち着くだろう」と様子見が続くと、相談のタイミングを迷いやすくなります。

2週間以上痛みが続く場合は放置せず受診を検討しましょう。

結果表やお薬手帳があれば用意して、消化器内科(迷う場合は内科)で症状を伝えてください。

市販薬を使っても症状が続く状態

市販の胃薬を飲んでも症状がすっきりしないときは、別の原因が関係していることもあります。

市販の胃薬を使っても消化器の症状が続くときは、医療機関へ相談する一つの目安になります。どのような対応がよいかは、年齢や症状、これまでの病気によっても変わります。

薬で一時的に痛みを散らすことはできますが、根本的な原因まで取り除くことはできません。

市販薬を数日服用しても続く胃痛は医療機関への相談目安となりますので、無理をせず相談してください。

早めの相談を考えたいサイン

ここからは、早めに医療機関へ相談したい症状を見ていきます。

これから挙げる「アラーム症状」は、早めの確認が必要になることがある症状です。該当する場合は、市販薬で様子見にせず、救急外来を含め医療機関に連絡して受診先を相談してください。

吐血や黒色便

コーヒーの残りかすのような物を吐いたり、真っ黒なタール状の便が出たりした場合は、胃の中で出血している疑いがあります。

消化器症状では、吐血や黒色便などが注意したいサインとして扱われます。

アルコールの刺激で粘膜の傷が悪化すると、出血につながることがあります。

吐血や黒色便がある場合は、消化管からの出血が疑われることがあります。ためらわずに医療機関へ連絡してください。

立っていられない激痛

脂汗が出るほどの強い痛みや、背中まで突き抜けるような痛みがある場合は、胃の穿孔や膵炎なども含めて確認が必要になることがあります。

特にお酒を飲んだ直後に急激な腹痛がある場合は、胃以外の臓器のトラブルが関係することもあります。

強い痛みがあるときに市販薬だけで様子を見ると、受診のタイミングが遅れることがあります。

立っていられないほどの腹痛がある場合は、救急受診が必要になることがあります。迷うときは救急相談窓口や医療機関に連絡してください。

意図しない体重減少

ダイエットをしていないのに数ヶ月で体重が数キロ落ちた場合は、胃腸の病気を含めて確認が必要になることがあります。

食事量の変化や通過障害などが関係して、体重が減少することがあります。

お酒を好む方は胃痛を「いつものこと」と考えがちですが、体重の変化もあわせて確認しておきましょう。

胃痛に加えて体重減少がある場合は、早めに医療機関で相談する目安になります。必要な検査(胃カメラを含む)は、症状や診察所見で決まります。

喉のつかえ感

食べ物が喉や胸のあたりでつっかえるような感覚がある場合、食道や胃の不調が関係していることがあります。

お酒に弱い体質の方が習慣的に飲んでいる場合は、食道や胃のことも含めて医療機関で相談する材料になります。どのような確認が必要かは、人によって異なります。

逆流性食道炎と思っていても、症状が続く場合は別の原因がないか確認したほうがよいことがあります。

飲み込みにくさやつかえ感が続くときは、食道や胃のトラブルが関係することがあります。症状が続く場合は、消化器内科(迷う場合は内科)で相談し、必要に応じて内視鏡を検討します。

胃カメラ検査で確認できること

胃カメラ検査で確認できることや、検査を考えるときのポイントを紹介します。

病変を直接観察できる

バリウム検査と比べて、内視鏡では胃の中を直接見て状態を確認できます。

粘膜の色の変化や凹凸を医師が直接確認できるため、状態を詳しく見やすい検査です。

医療機関によっては、喉への刺激を抑えやすい鼻からの検査を選べる場合もあります。

胃の中を直接見て状態を確認できるのが胃カメラの特徴です。

気になる所見を詳しく確認できる

胃カメラは、胃の粘膜を直接見て、病変の有無を確認する検査です。

気になる所見が見つかった場合は、医師が検査結果をもとに治療や経過観察の必要性を判断します。

AI診断支援システムなどを導入している医療機関もありますが、対応状況は施設によって異なります。

気になる所見がある場合に、胃カメラで詳しく確認できるのはメリットです。治療や経過観察が必要かは、結果を見て判断します。

ピロリ菌を確認できる

ヘリコバクター・ピロリ菌の感染が疑われる場合は、検査で感染の有無を確認します。あわせて、胃粘膜の状態を観察します。

胃痛の原因はお酒の刺激だけとは限りません。ピロリ菌による胃炎など、別の原因が関係していることもあります。

菌が見つかった場合の対応は、検査結果や診察の内容をもとに医師と相談して決めます。

ピロリ菌の有無を知ることは、胃の状態を考える材料になります。胃痛の背景は人によって異なるため、気になる点は医師に伝えてください。

AI診断支援を導入している医療機関もある

医療機関によっては、AIが病変の疑いがある箇所を検出し、医師の確認を補助する仕組みを導入している場合があります。

ただし、導入状況や検査体制は施設によって異なります。

検査の方法や確認の体制が気になる場合は、予約前に医療機関へ問い合わせておくとよいでしょう。

AIは、画像の確認を補助して医師の判断を支える仕組みです。対応しているかは医療機関で異なるため、気になる場合は予約前に確認してください。

今後の対応を相談しやすくなる

検査によって胃の状態がわかると、薬の処方や生活上の注意点を相談しやすくなります。

原因がわからないまま不安を抱え続けるよりも、今の状態を整理しやすくなります。

検査結果をもとに、治療が必要か、生活習慣を見直すかなどを医師と相談できます。

検査結果をもとに今後の対応を相談できるため、迷う場合は医療機関で相談しましょう。

胃カメラ検査のデメリット

検査を検討する上で気になる、不快感や生活への制限といったデメリットについても率直に解説します。

検査時の不快感

口からカメラを挿入する場合、喉を通り過ぎる際に強い嘔吐反射(オエッとなる感じ)を伴うことがあります。

この苦痛が原因で検査を敬遠する方もいますが、医療機関によっては鎮静剤を使用する方法を選べる場合があります。

また、鼻から挿入する「経鼻内視鏡」を選べる場合もあります。

検査手法や鎮静剤の有無は医療機関で相談できます

当日の運転制限

鎮静剤を使用して検査を受けた場合、当日は車やバイク、自転車の運転が制限されることがあります。

薬の影響で判断力や運動能力が一時的に低下することがあるため、事前に注意事項を確認してください。

公共交通機関を利用するか、家族に送迎を頼むなど、事前のスケジュール調整が必要になる場合があります。

鎮静剤使用時は当日の運転制限を事前に確認しましょう

検査の所要時間

検査そのものの時間に加えて、受付や会計、鎮静剤を使う場合の休憩時間が必要になることがあります。

鎮静剤を使った場合の休憩時間は医療機関や体調によって異なるため、予約時に確認しておきましょう。

忙しい方にとっては時間の確保がハードルになりますが、症状が続くときは受診の予定を立てておくことも大切です。

所要時間は医療機関や検査内容によって変わります。予約時に確認しておきましょう。

胃カメラ検査にかかる費用の考え方

お酒について本文中で確認するポイントを示した図
お酒について、結果表を見たときに次の確認につなげるための図です。

胃カメラ検査の費用は、保険の負担割合や検査に伴う処置(生検やピロリ菌検査)の有無、医療機関によって変わります。

項目対象者費用に影響する点備考
観察のみ(基本料金)胃痛等の自覚症状がある方診察料や処方の有無医療機関により異なる
生検(組織採取)あり病変の確認が必要な方採取する部位数追加費用が発生する場合がある
鎮静剤の使用追加苦痛への配慮を相談したい方鎮静剤の使用有無医療機関により異なる
ピロリ菌検査(迅速法)感染が疑われる方検査方法や同時実施の有無実施可否は医療機関により異なる

自覚症状がない状態で、健康診断や人間ドックとして検査を受ける場合は、保険診療になるかどうかや費用が変わることがあります。受診する医療機関や、鎮静剤を使用するかどうかによっても費用は前後するため、事前に医療機関へ確認しておきましょう。

飲酒習慣と胃粘膜への影響

お酒について本文中で確認するポイントを示した図
お酒について、結果表を見たときに次の確認につなげるための図です。

お酒による影響は人それぞれですが、ご自身の体質や注意したい点を知っておくと役立ちます。どのような対応がよいかは、年齢や症状、これまでの病気によっても変わります。

分解酵素の体質

アルコールを分解する酵素(ALDH2)の働きが弱い体質の方は、飲酒後の体調変化に注意が必要です。

少量の飲酒で顔が赤くなる体質の方は、食道や胃のことについて医療機関で相談する材料になります。

自分の飲酒量や体調変化を振り返ることは、飲み方を見直すきっかけになります。

体質的にアルコールに弱い自覚がある方は、症状や飲酒習慣を医療機関で相談することも検討しましょう。

お酒で赤くなる人のリスク

飲酒してすぐに顔が赤くなる場合は、アルコールの分解に関わる体質が影響していることがあります。

飲酒に関連するリスクが気になる場合は、飲酒量や症状を整理して相談しましょう。

「赤くなるのは体質だから」と片づけず、飲み方を振り返る材料にしてください。

お酒ですぐ赤くなる人は、飲酒量や胃の症状を意識しておくとよいでしょう。気になることがあれば、飲み方とあわせて医師に相談してください。

薬で症状を隠すリスク

胃痛があるのに市販の胃薬だけで様子を見ながら、そのままお酒を飲み続けることには注意が必要です。

薬で一時的に症状が和らいでも、原因が解消しているとは限りません。

痛みが続く場合は、飲酒量や食事、服薬状況を振り返り、必要に応じて相談しましょう。

薬で症状を抑えながら飲酒を続ける場合は、相談のタイミングを逃さないことが大切です

お酒で胃痛が続くとき|胃カメラを考える目安に関するQ&A

お酒について本文中で確認するポイントを示した図
お酒について、結果表を見たときに次の確認につなげるための図です。
お酒を飲んだ翌日の胃痛が数日続く場合、すぐに病院へ行くべきですか?

まずは飲酒を控え、胃に負担をかけにくい生活にして様子を見ます。それでも痛みが引かない場合や、症状が悪化している場合は、消化器内科や内科で相談しましょう。

お酒で顔が赤くなるタイプですが、人より胃がんになりやすいというのは本当ですか?

お酒で顔が赤くなる体質の方は、飲酒に関連するリスクについて知っておくことが大切です。習慣的に飲酒している場合や胃の症状がある場合は、検査の必要性を医療機関で相談しましょう。症状や既往歴、ほかの検査値によって判断は変わります。

胃カメラの検査費用は、どのように確認すればよいですか?

費用は保険の負担割合、診察内容、生検や鎮静剤の有無、医療機関によって変わります。受診前に医療機関へ、想定される費用や支払い方法を確認しておくと準備しやすくなります。

まとめ:胃痛が続くときは症状を整理して相談しよう

  • アルコール度数が高いお酒は胃の刺激になりやすいため、飲み方を振り返ることが大切です。
  • お酒を控えても胃痛が続く場合は、別の原因が関係していることもあります。
  • 市販薬を数日飲んでも症状が続く場合は、医療機関で相談する目安です。
  • 年齢や症状、既往歴によって必要な確認は変わるため、検査の必要性は医師と相談しましょう。

胃の不快感が続くときは、飲酒量や痛みの出方、続いている期間をメモしておくと相談時に役立ちます。長引く痛みや違和感がある場合は、消化器内科や内科で相談し、必要な確認を進めましょう。

のみケンの運営者情報は運営者情報をご確認ください。

参考文献・出典

  1. 日本人間ドック・予防医療学会|判定区分表等に関するQ&A|2024年
  2. 国立がん研究センター がん情報サービス|がん検診について|2026年
この記事の確認者

監修医:中村 文保

金沢消化器内科・内視鏡クリニック 理事長。消化器内科・内視鏡診療に携わる医師として、健診異常、肝機能異常、脂肪肝、胃腸症状、胃内視鏡・大腸内視鏡検査などの診療を行っています。

保有資格:日本内科学会 総合内科専門医/日本消化器病学会 消化器病専門医/日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医/日本肝臓学会 肝臓専門医

本記事は一般的な医療情報の提供を目的としたものであり、個別の診断・治療に代わるものではありません。症状がある場合や健診結果で異常を指摘された場合は、医療機関へご相談ください。

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